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ふと、彼のことを思い出した。
決して忘れていた訳ではないが、エクスフィア回収という酷しい旅のなかで、ゆっくりと過去を省みる時間がなかったのも事実だ。 今ロイドはゼロスと二人旅をしている。神子制度廃止が決定になりずいぶん自由に行動できるようになったのだ。心なしかゼロスの表情も穏やかになったようだ。 そして今日、彼等はロイドの家と帰って来ていた。レアバードがあるといっても、なかなかゆっくと時間がとれないため久々の帰省だ。 (ただいま、母さん) ロイドが母の墓前にいるとき決まってゼロスはどこかにいってしまう。彼なりの気遣いなのかもしれない。 (…クラトス) 心のなかで呟いた。 酷く懐かしい気持ちに胸がつまった。 彼はいない。 遥か彼方宇宙へ旅立ってしまった。もう二度と会うことはできないだろう。 彼を見送ったことを後悔したくはなかった。 それでも時々思うのだ、彼のことをもっと知りたかったと。 4000年という途方もない時間で、過ごしたのは一瞬でしかなかった。 (ははは、…こんなに悩むなんて俺らしくないな) ロイドは冷静な頭で思った。 彼は大人になった。 目標となる人をみつけて 辛いことを乗り越えて どうにもならない現実を目の当たりにして それでも頑張らなければどうにもならないことを知って。 ふわりと、温かい腕に抱きすくめられた。 「ロイドくんがあんまりにも遅いから、迎えに来てやったぜ、俺様もうお腹ペコペコー」 「っゼロス…」 ロイドは驚いて後ろを振り返った。 「なに泣きそうな顔してんだー?ったく、特別に麗しのゼロス様の胸を貸してやるから。」 そう言って今度はロイドを正面から抱き締めた。 「っう、うぅ…」 その日ロイドはゼロスの腕のなかで子供のように大泣きした。 「大丈夫だ、ロイド。俺がそばにいる。ずっとな。」 あとがき クラロイまたはクラ+ロイ風味のゼロロイでした 甘シリアスのつもりで書いたのですが、読み方を変えればヤンデレ風?(笑) PR |
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