ロイドはゼロスに向けていた視線をそらした。
なにか辛い思い出でも思い出しているのだろうか。うつむいた顔は苦しそうに歪められている。
「…まぁ?この美しく~、華麗な俺さまべっつにそんな小さなこたぁ~どうでもいいけど?」
なぜかロイドの複雑な顔をみていられずゼロスはさっきの質問を咄嗟に誤魔化した。
その言葉を聞いたロイドは、質問が中断されたのに安心したのか表情を和らげて顔を上げた。
「なっなんだよっ!お前が聞いてきたんだろー!」
そして、おちゃらけた様子のゼロスに普段の調子を取り戻したのか、今度はゼロスに視線を合わせ睨みつけてきた。ゼロスはその視線を軽く流し
「でっひゃっひゃっひゃ~、じゃぁ、俺さまそれだけだから、お子様のロイドくんはもう寝な」
そう言うとゼロスはふざけたように笑いながらロイドの部屋を後にした。
「……変なやつ」
突然来たと思ったら突然去っていったゼロスにロイドは一人ぽつんと呟いた。
(いったいなんだってんだ?)
一方ゼロスは抱いた疑問を解決出来ず、逃げ帰るように帰ってきてしまったことに舌打ちしたい気持ちになっていた。
「本当…なんだよ」
人一倍、人の心の闇に敏感なゼロスは、普段明るい熱血漢な少年の複雑な表情に戸惑っていた。ゼロスもただ、悲しいとか、苦しいとか簡単な喜怒哀楽を表す表情ならここまで動揺しなかっただろう。しかし、ロイドの表情は違った。罪とか、責任、言葉では言い表せない多くのものを抱えこんだ表情だったのだ。そう、それはゼロスが鏡を通してよく見る表情でもある。しかし、それとは決定的に違ったのは、ロイドには複雑な中に決して曇ることのない希望も見てとれたのだ。
(理想を追いかけるばかりの馬鹿なガキじゃない…?)
ゼロスのロイドに対する認識が少し揺らいだ。
(まぁ、あいつがこれからどうするか見ものだな…)
ゼロスは長剣の柄を撫でるように触ると夜の街中へと姿を消した。
あとがき
TOSプレイ中クラトスの装備をゼロスに使ったことで思いついた小説でしたが…自分でもなにがなんだかさっぱりな仕上がりに(笑)
そして加入したばかりで悪役よりのゼロスくん
こちらもさっぱり訳がわからない感じで…
すみません。フィーリングでお願いします。
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